利息の源泉徴収計算ツール|個人・法人対応(20.315%/15.315%)
受取利息の税引前額と納税者区分(個人/法人)を選ぶだけで、所得税・復興特別所得税・住民税の源泉徴収額と手取り額を即計算。法人の住民税利子割非課税(2016年改正)にも対応。
こんな場面で使えます
- 個人の方: 普通預金・定期預金の利息通知から、税引前・税引後の金額を確認したいとき
- 法人の経理担当者: 法人名義の預金利息について、源泉徴収額(15.315%)が正しいか検算したいとき
- 税理士・会計事務所: 顧問先への説明資料として、個人・法人の税率差の計算根拠を示したいとき
- 資産運用の参考: 債券・定期預金の利回りを税引後ベースで比較したいとき
利子所得の源泉徴収とは?
利子所得の源泉徴収とは、銀行預金や公社債の利息を受け取る際に、 金融機関が所得税・復興特別所得税・住民税を差し引いて納税する制度です。 受取人は税引後の金額を受け取るため、個人の場合は原則として確定申告は不要です(源泉分離課税)。
対象となる利子所得
- 預貯金(普通預金・定期預金等)の利息
- 公社債(国債・地方債・社債等)の利子
- 合同運用信託の収益分配金
- 公社債投資信託の収益分配金
なぜ確定申告が不要なのか(個人の場合)
個人の利子所得は「源泉分離課税」に分類されるため、金融機関が源泉徴収した時点で課税関係が完結します。 所得税法第181条・第182条に基づき、金融機関が支払時に税額を差し引いて国に納付する仕組みのため、 受取人側で改めて申告・納税する必要はありません。
個人と法人で税率が違います
同じ利息を受け取っても、個人は20.315%、法人は15.315%と、源泉徴収される税率が異なります。 これは2016年(平成28年)1月1日の税制改正により、法人の利子等が住民税利子割の課税対象外となったためです。
個人の場合:合計20.315%
- 所得税: 15%(所得税法第181条・第182条)
- 復興特別所得税: 0.315%(所得税額×2.1%。復興財確法第28条)
- 住民税利子割: 5%(地方税法第71条の6)
法人の場合:合計15.315%
- 所得税: 15%(所得税法第181条・第182条)
- 復興特別所得税: 0.315%(所得税額×2.1%。復興財確法第28条)
- 住民税利子割: 非課税(平成25年度税制改正/2016年1月1日施行)
復興特別所得税の税率は「所得税額×2.1%」ですが、 実際の源泉徴収では所得税と復興特別所得税を個別に端数処理せず、 合計15.315%で計算した金額の1円未満を切り捨てます(復興財確法第31条第2項)。 詳しくは端数処理についてをご覧ください。
なぜ法人は住民税が非課税になったのか
2015年(平成27年)12月31日までは、法人が受け取る預金利息等にも住民税利子割5%が課税されていました。 しかし平成25年度税制改正により、2016年(平成28年)1月1日以降に支払われる利子等については、 法人の住民税利子割が廃止されています。
改正の背景
法人が受け取る利子については、従来から法人税申告時に所得税額控除として精算される仕組みがありました。 そこにさらに住民税利子割を課すと、法人住民税側でも同様の控除・精算処理が必要となり、 企業経理・自治体事務の双方で計算が複雑化していました。 これを簡素化する目的で、法人に係る住民税利子割は廃止されました。
このため、2016年1月1日以降に受け取る法人名義の預金利息は、 源泉徴収されるのは所得税15%と復興特別所得税0.315%のみとなり、合計15.315%になります。
計算例(個人と法人の比較)
利息10,000円を受け取った場合、源泉徴収額と手取り額は次のように変わります。
所得税と復興特別所得税は、まず合計額(利息額×15.315%)を先に確定させて円未満を切り捨て、 その内訳として所得税・復興特別所得税を表示します(理由は「端数処理について」を参照)。
個人(20.315%)
- 所得税+復興特別所得税: 10,000 × 15.315% = 1,531.5 → 1,531円(円未満切捨て)
- うち所得税: 10,000 × 15% = 1,500円
- うち復興特別所得税: 1,531 − 1,500 = 31円
- 住民税利子割: 10,000 × 5% = 500円(円未満切捨て)
- 源泉徴収合計: 1,531 + 500 = 2,031円
- 手取り額: 10,000 − 2,031 = 7,969円
法人(15.315%)
- 所得税+復興特別所得税: 10,000 × 15.315% = 1,531.5 → 1,531円(円未満切捨て)
- うち所得税: 10,000 × 15% = 1,500円
- うち復興特別所得税: 1,531 − 1,500 = 31円
- 住民税利子割: 0円(非課税)
- 源泉徴収合計: 1,531円
- 手取り額: 10,000 − 1,531 = 8,469円
同じ10,000円の利息でも、法人のほうが住民税分の500円だけ手取りが多くなります。 利息額が大きくなるほど差額も比例して大きくなります。
端数が出るケース(個人・利息5,678円)
利息額が20円の倍数でない場合、計算の順序によって税額が1円ずれます。 正しいのは「合計額を先に確定させる」方法です。
- 所得税+復興特別所得税: 5,678 × 15.315% = 869.58… → 869円
- うち所得税: 5,678 × 15% = 851.7 → 851円
- うち復興特別所得税: 869 − 851 = 18円
- 住民税利子割: 5,678 × 5% = 283.9 → 283円
- 源泉徴収合計: 869 + 283 = 1,152円
- 手取り額: 5,678 − 1,152 = 4,526円
仮に所得税を先に851円へ切り捨ててから2.1%を掛けると 851 × 2.1% = 17.87… → 17円となり、国税の合計は868円で1円少なくなります。 これは復興財確法第31条第2項が定める端数処理と異なる計算方法であり、 金融機関が実際に源泉徴収する金額とも一致しません。
端数処理について
所得税と復興特別所得税は「合計額」で1回だけ切り捨てる
源泉徴収する復興特別所得税とその基準所得税額である所得税の端数計算は、 国税通則法第119条の規定にかかわらず、両者の合計額によって行い、1円未満を切り捨てる と定められています(復興財確法第31条第2項)。 つまり所得税と復興特別所得税を個別に切り捨てるのではなく、 利息額×15.315%を計算して、その合計額の1円未満を切り捨てるのが正しい処理です。
この結果、国税部分(所得税+復興特別所得税)は 「利息額×15.315%の円未満切捨て」という単純計算と必ず一致します。 所得税を先に切り捨ててから2.1%を掛ける2段階の切捨てを行うと、 利息額によっては1円少ない金額になり、金融機関の源泉徴収額と合わなくなります。
住民税利子割は国税とは別に切り捨てる
住民税利子割(個人5%)は地方税であり、国税とは別の税目として円未満を切り捨てます(地方税法第20条の4の2)。 そのため個人の場合、源泉徴収合計は 「利息額×20.315%」の単純計算と1円ずれることがあります。 これは国税部分と地方税部分で切捨てを2回行うためで、税目をまたいだ切捨ての影響です。 法人は住民税利子割が非課税のため、この差は生じません。
本ツールはこの端数処理ルールに従って計算しているため、 金融機関から通知される実際の源泉徴収額と一致します。
確定申告との関係
個人の場合
個人の利子所得は源泉分離課税のため、源泉徴収だけで課税が完結し、確定申告は不要です。 他の所得と合算して税額の還付を受けることもできません。 ただし、特定公社債等の利子については「申告分離課税」を選択し、 上場株式等の譲渡損失と損益通算することも可能です。
法人の場合
法人が受け取る利息について源泉徴収された所得税・復興特別所得税は、 法人税申告時に「所得税額控除」として精算(控除)できます(法人税法第68条)。 つまり法人にとって源泉徴収税額は、実質的に法人税の中間納付のような位置づけとなり、 最終的な法人税額から差し引いて精算されます。経理処理上は「仮払税金」等で管理するのが一般的です。
マル優等の非課税制度(個人のみ)
個人のうち、障害者手帳をお持ちの方・遺族年金受給者等の一定の方は、 少額貯蓄非課税制度(通称マル優)を利用できます。 元本350万円までの預貯金等の利子が非課税となる制度で、該当する場合は源泉徴収されません。
本ツールは一般の課税ケース(マル優を利用していない通常の利息)を計算するものです。 マル優適用分については別途非課税として取り扱ってください。
よくある質問(FAQ)
受け取った利息は確定申告が必要ですか?
個人の預貯金利息は源泉分離課税のため、金融機関が源泉徴収した時点で課税が完結し、 原則として確定申告は不要です。他の所得と合算したり、利息の源泉徴収分の還付を受けたりすることもできません。 ただし特定公社債等の利子については申告分離課税を選択できるなど例外もあるため、 ご自身のケースで申告の要否に迷う場合は所轄の税務署等でご確認ください。
個人と法人で源泉徴収される税率はなぜ違うのですか?
個人は所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税利子割5%の合計20.315%、 法人は住民税利子割が非課税(2016年1月1日施行)のため所得税15%・復興特別所得税0.315%の合計15.315%です。 法人の住民税利子割は平成25年度税制改正で廃止されており、その分だけ法人のほうが手取りが多くなります。
単純に利息額×20.315%で計算した金額と少しズレるのはなぜですか?
国税部分(所得税+復興特別所得税=15.315%)と地方税部分(住民税利子割5%)で、 円未満の切捨てを別々に行うためです。国税は合計額で1回切り捨て(復興財確法第31条第2項)、 住民税利子割は地方税として別に切り捨てる(地方税法第20条の4の2)ため、 2回の切捨てが発生し、合計が「利息額×20.315%」の単純計算と1円ずれることがあります。 なお国税部分だけを見れば「利息額×15.315%の円未満切捨て」と必ず一致します。
所得税を切り捨ててから2.1%を掛ける計算方法ではないのですか?
その方法は誤りです。復興財確法第31条第2項は、源泉徴収する復興特別所得税と その基準所得税額である所得税の端数計算について、 「国税通則法第119条の規定にかかわらず、これらの合計額によって行う」と定めています。 所得税を先に円未満切捨てしてから2.1%を掛ける2段階処理を行うと、 利息額によっては国税の合計が1円少なくなり、金融機関の源泉徴収額と一致しません。 本ツールは合計額で1回切り捨てる正しい処理を採用しています。
法人が源泉徴収された税額は、その後どうなりますか?
法人が受け取る利息について源泉徴収された所得税・復興特別所得税は、 法人税申告時に「所得税額控除」として精算(控除)できます(法人税法第68条)。 源泉徴収税額は実質的に法人税の前払いのような位置づけとなり、最終的な法人税額から差し引いて精算されます。 具体的な控除計算は税理士または所轄の税務署等でご確認ください。
計算の根拠法令・免責
根拠法令・参考資料
- 所得税法 第181条・第182条(利子所得の源泉徴収)
- 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法 第28条(復興特別所得税)
- 地方税法 第71条の6(住民税利子割の特別徴収)
- 平成25年度税制改正法(法人に係る利子割の廃止/2016年1月1日施行)
- 法人税法 第68条(所得税額控除)
- 復興財確法 第31条第2項(端数処理:源泉徴収する復興特別所得税と所得税は、国税通則法第119条にかかわらず合計額で1円未満切捨て)
- 地方税法 第20条の4の2(地方税の端数計算:住民税利子割は国税とは別に円未満切捨て)
- 国税庁タックスアンサー No.1310「利息を受け取ったとき(利子所得)」
免責事項
本ツールの計算結果は参考値です。マル優等の非課税制度の適用、特定公社債等の申告分離課税、 法人税の所得税額控除の具体的な計算等、個別の課税関係は税理士または所轄の税務署へご確認ください。
本ツールは令和8年度(2026年)の税率・基準をもとに計算しています。最新の情報は各省庁のWebサイト等でご確認ください。
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